私達は結婚したのでもう手遅れです!
「なにが足を洗った、だ!しっかり片足つっこんでるんだよ!なにかあるたびにお前らは矢郷組の邪魔をしやがって!俺の初恋相手の羽花ちゃんまで横からかすめとるような真似を許せるかっ」

う、羽花ちゃん!?
なんですか?
その『ちゃん』呼びは。
しかも、初恋相手ってどういうこと?
百花が隣でぽんっと手を叩いた。

「どっかで見たことあるなーって思ってたら、あの目つきの悪いガキ……男の子。お姉ちゃん、ほら、あの公園の滑り台を占領して貸してくれなかったイジメっ子覚えてない?あの目付きの悪さはあいつに間違いないわよ」

そう言われると似ているような気がする。
昔、私と百花が遊んでいたあの公園にいた男の子に。
そして、いつも一緒に遊んでいた友達がもう一人いた。
あれは―――

「冬悟さん……?」

私がそう言った瞬間、ドンッと背後から玄馬さんが蹴り倒されて吹き飛んだ。

「呼んだか。羽花」

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