私達は結婚したのでもう手遅れです!
第25話 ずっと前から
「知っていた」
しんっと静まり返った中で父の一言が響いた。
昔からいる職人さん達は冬悟さんを見てにやにやと笑っていた。
そして、父よりずっと年上の一番古株の職人さんが言った。
「みんな、なにも言わなかっただけで気づいていたよ。亡くなったおじいさんがよく『柳屋』に和菓子を買いにきてくれていたからなぁ。君はおじいさんによく似ている」
冬悟さんは驚いていた。
まさか自分の正体がバレているとは思っていなかったらしい。
職人さん達がわいわいと集まってきた。
「幼い頃、おじいさんに連れられて買いにきた君が『柳屋』の菓子をおいしいと言ってくれたのを覚えているよ」
「そうだったなー。あの頃は女の子みたいに可愛い顔をしていたよな」
「うんうん。ズボンなのに女の子とよく間違えられて悔しそうな顔するんだけど、またその顔がもう可愛いい顔でなー」
衣兎おばさんがハッとした。
しんっと静まり返った中で父の一言が響いた。
昔からいる職人さん達は冬悟さんを見てにやにやと笑っていた。
そして、父よりずっと年上の一番古株の職人さんが言った。
「みんな、なにも言わなかっただけで気づいていたよ。亡くなったおじいさんがよく『柳屋』に和菓子を買いにきてくれていたからなぁ。君はおじいさんによく似ている」
冬悟さんは驚いていた。
まさか自分の正体がバレているとは思っていなかったらしい。
職人さん達がわいわいと集まってきた。
「幼い頃、おじいさんに連れられて買いにきた君が『柳屋』の菓子をおいしいと言ってくれたのを覚えているよ」
「そうだったなー。あの頃は女の子みたいに可愛い顔をしていたよな」
「うんうん。ズボンなのに女の子とよく間違えられて悔しそうな顔するんだけど、またその顔がもう可愛いい顔でなー」
衣兎おばさんがハッとした。