私達は結婚したのでもう手遅れです!
「あ……冬悟さ……ん?」
「羽花……離れたくなかった。本当は……ずっと一緒にいたかったんだ……」
やっと一緒にいられる。
そう息を吐いて言った言葉がぼうっとしていた頭にも届いて、泣きそうになった。
「これからはずっと一緒です……」
腕を伸ばして冬悟さんを抱きしめた。
汗なのか涙なのかわからない。
でも、あなたが泣くのは胸が痛い。
自分が泣くよりもずっと。
だから、泣かずにすむように私からキスをする。
どんなキスをしていいかわらかず、ここにいますよ、と告げるために私は鳥のようなついばむキスをした。
まだ私のたどたどしいキスを冬悟さんは笑っていた。
笑うなんてひどいと思ったけど、私も微笑んだ。
ずっとこの先も笑っていたい。
あなたと一緒に―――