私達は結婚したのでもう手遅れです!
一番大きい付箋を貼りつけた。

「羽花。新婚旅行先を選んだら次は結婚式を選ぶ仕事が待ってるぞ」

「えええっー!」

「なんだ?結婚式をした後に新婚旅行がいいのか?」

「違いますっ!結婚式まで私が決めていいんですか?」

「いいぞ。そうだな―――」

じぃっーと私を見る。

「仙崎。お色直しのドレスは何回までやれるか確認をしておいてくれ」

「わかりました」

「……そんなのやらなくても」

「だめだ」

厳しい。
もしかして、嶋倉家のしきたり?

「俺が見たい」

ズサッ―とまたパンフレットの山に突っ込んでしまった。

「やはり、羽花さんは着物が似合いますから、和装と洋装の両方をするべきかと」

「嶋倉の家でお披露目は和装、仕事関係者は洋装だな」

真面目に答える仙崎さんと真剣な冬悟さん。
私よりも結婚式を楽しみにしているような気がする。
そして、段取りだけは決められているらしい。
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