私達は結婚したのでもう手遅れです!
違う、笑いをとるために言ったんじゃないよっー!

「妻ねぇ……」

半信半疑の目でじろじろと見られているのがわかる。

「けどまあ、礼華さんから命じられてんのはこいつを痛めつけろって話だったよな」

男達から笑みが消えた。
痛めつけろ?
もしかして、私、黙っていた方が自分の身のためだった?

「お嬢さんから、顔にでも傷をつけてやれと言われていてな。悪く思うなよ」

顔に傷?
サァッーと血の気が引くのがわかった。
ここで冬悟さんの妻じゃないって言えば、助かるかもしれない。
でも、否定したくなかった。
冬悟さんの妻だってことを自慢したいくらいなんだから!

「子供を脅しているみたいで目覚めが悪いな……」

「だよなぁ」

「やっぱり間違いじゃねえの?」

「玄馬さんに確認してみるか」

「天才だな。お前」

なにやら相談し始めてしまった。
確かに私と冬悟さんじゃ天と地ほどに違うよっ!
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