私達は結婚したのでもう手遅れです!
「おい、なにしてんだ」

玄馬さんがサングラスをはずし、畳の上に捨てた。
それが合図であったかのように玄馬さんは圧倒的な強さでここにいた人達を殴り倒していった。
赤い血が私の目の前で飛び散って畳を汚した。
これ、本気だ、本気で殴ってるっ!
さすがの私も恐怖のあまり何も言えなくなり、固まってしまった。

「誰がこんな真似しろって言った?礼華か?」

「……そう……っで、す」

痛いはずだろうに転がった人達は苦しそうにしながらも口を動かしていた。

「こいつに手を出すなって俺は言わなかったか?」

「いいました……」

なおも蹴り飛ばされて苦悶の声をあげた。

「だよな。骨の一本や二本、やられる覚悟はいいな」

まだやるの!?
ぎょっとして声をあげた。

「まっ、待ってください!もうやめてください」

「羽花ちゃん……怖かっただろう?」

また、ちゃん呼び?
怖いのは玄馬さんだ。

< 223 / 386 >

この作品をシェア

pagetop