私達は結婚したのでもう手遅れです!
継母がホストクラブに通っていたことも初めて知った。

「金を貢いでいるのを知って、こっちは金を貸してやった。だが、金を回収したのは矢郷組じゃねえよ。嶋倉組の奴らだ。矢郷組が貸した金をあいつは俺に突き返したってだけの話だ」

ぐるぐると頭が回った。
じゃあ、これは全部罠なの?
私が借金のカタに妻になったのもシナリオどおりだったってこと……

「な?俺のほうが正直者で善人だってわかってくれただろ。俺の妻になれよ。羽花」

混乱している私を強い力で抱き締め、自分の体に顔を埋めさせた。
冬悟さんとは違う男の人の匂い。
煙草と血の匂いがした。
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