私達は結婚したのでもう手遅れです!
「そんなことねえ!俺だって、お前のことをずっと見てたんだからな。羽花ちゃんは近所でも店の手伝いをして素直でいい子だって評判だぞ」
「私、そんないい子じゃないです。継母がいなくなった時、心配するよりもホッとしてしまったんです」
なぜ、冬悟さんが継母にそんなことをしたのか、私はわかってしまった。
ただ借金を作らせるのではなく、若い男と逃げたという事実を作らせ、二度と『柳屋』の敷居をまたげないようにした。
冬悟さんが継母を追い出したのだ。
だから、きっと継母はもう『柳屋』には戻ってこない。
そんな気がした。
「私、継母が嫌いでした。真面目な父を馬鹿にしていたことも。跡継ぎである弟がいるからといって『柳屋』で仕事もしないで偉そうにしている姿をみるのも。私や百花に家事をやらせて自分はなにもせずにいるのも本当は嫌だった」
涙がこぼれた。
継母がいない場所で暮らしたいと思っていた。
「私、そんないい子じゃないです。継母がいなくなった時、心配するよりもホッとしてしまったんです」
なぜ、冬悟さんが継母にそんなことをしたのか、私はわかってしまった。
ただ借金を作らせるのではなく、若い男と逃げたという事実を作らせ、二度と『柳屋』の敷居をまたげないようにした。
冬悟さんが継母を追い出したのだ。
だから、きっと継母はもう『柳屋』には戻ってこない。
そんな気がした。
「私、継母が嫌いでした。真面目な父を馬鹿にしていたことも。跡継ぎである弟がいるからといって『柳屋』で仕事もしないで偉そうにしている姿をみるのも。私や百花に家事をやらせて自分はなにもせずにいるのも本当は嫌だった」
涙がこぼれた。
継母がいない場所で暮らしたいと思っていた。