私達は結婚したのでもう手遅れです!
どうしてそうなるのっー!?
この流れは『そうか、わかった。冬悟と幸せにな』の流れですよ……

「ここにいろよ。俺がお前のためになんでもしてやる」

「こ、困ります。私、冬悟さんのこと好きだって言いましたよね!?」

「言った。けど、俺もずっと羽花ちゃんを見ていたんだ。簡単に手放したくない」

「そんな!私を冬悟さんのところへ帰してください!」

「嫌だね」

なんて頑固なんだろう。
さすが礼華さんのお兄さん。
困った顔をしていると玄馬さんはにやりと笑った。

「あいつがここに羽花ちゃんがいるってわかっても乗り込んでこれるとは思えねえけどな」

「そんなことないです!迎えにきてくれます!」

「ここをどこだと思ってんだ?矢郷組本部だぞ。嶋倉が矢郷と敵対するって腹ならともかく。この世界から足を洗うときに矢郷とは争わねえって約束で足を洗ってんだ」

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