私達は結婚したのでもう手遅れです!
「それにしてはうちの孫の扱いが雑だな」
おじいちゃんが前にでると玄馬さんはハッとしたように身を引いた。
もしかして、おじいちゃん、すごく怖い人……?
けれど冬悟さんの方は平然としている。
「妻に危害を加えた。こっちは手加減してやったほうだ」
「ふん。まだ優しい方か」
「そうだ」
メガネのない冬悟さんは鋭い目をしておじいちゃんとにらみあった。
確かに迫力がある。
でも―――
「冬悟さん。私は無事ですから!」
「羽花」
ホッとしたのか、冬悟さんの険しい表情がすこしだけ優しいものになった。
私が無傷かどうか、確認するように頭から爪先までさっと視線を走らせる。
「足が泥だらけだが?手首と腕に縄のあとがある」
めざとい……
でも、礼華さんよりはかなりマシだと思うけど。
礼華さんは疲れたらしく、ぐったりとして動かない。
それを心配してか、おじいちゃんは言った。