私達は結婚したのでもう手遅れです!
私と竜江さんは悪い顔をしてうなずきあった。

「なかなか冬悟さんが羽花さんから離れてくれないから、チャンスがなくて参ったぜ」

「すみません。ラブラブで」

えへっと笑うと竜江さんは嫌そうな顔をした。

「なんか腹立つな」

「あっ!そんなこと言っていいんですか?私は例のものを持っているんですよ」

「うそうそ!うわー、ラブラブいいなぁー」

「ですよね」

当然ですと、こっくりとうなずいた。
竜江さんもうなずく。
私達はいまや共犯者。
いえ、協力者同士です。

「例のブツを出してもらおうか」

「そちらのをまず、確認してからですよ」

「わかった」

竜江さんはポケットから、すっと数枚、写真を取り出した。

「こっ、これは!!」

写真を持つ手が震える。
あまりにも素晴らしすぎて。

「羽花さんが知らない冬悟さんの幼少期、そして中学と高校の制服姿で揃えた」

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