私達は結婚したのでもう手遅れです!
「卑怯だぞー!」
渡された写真を見つめ、冬悟さんが竜江さんに軽く引いていた。
「なんだ。竜江。お前、ロリコンか」
「ご、誤解だ!違いますよー!ちゃんと見てください。羽花さんの妹の百花ちゃんですよっ」
「羽花」
じりじりと冬悟さんと対峙した。
「こ、これを奪われるわけにはいきません」
「俺達は夫婦だぞ。隠し事話だ。それにお前にとって害のないものなら、奪ったりしない」
「本当ですね!?」
「ああ。俺は約束は守る男だ」
「……信じましたよ?」
冬悟さんにそっと写真を差し出した。
その写真を見て
「竜江、後で一発殴る」
「えええ!?どうしてですか!?」
「俺の写真を勝手に持ち出すな」
冷ややかな目で竜江さんは睨まれた。
「勝手じゃなかったら、見てもいいんですか?」
「昔の写真は好きじゃない」
私はハッとした。
まさか―――なにか心の傷が?