私達は結婚したのでもう手遅れです!
「大丈夫ですよ。お金は支払いましたから、これ以上嫌がらせはされません」

「本当ですか?『柳屋』は大丈夫ですか?」

「もちろん。しかし、羽花さんの身が危ない。相手はヤクザだ。無理矢理連れ去るかもしれません」

「誘拐!?」

「その可能性は大きい」

「そんな……」

あんな人達に連れ去られるなんて怖すぎる。
想像しただけで体が震えた。

「羽花さんを私に守らせてもらえませんか ?」

「えっ!?いえ!それは。冬悟さんの迷惑になりますから」

「迷惑なんてことはありませんよ。私の仕事上、ああいった輩の扱いにはなれています」

「私はすごく助かりますけど……」

「それじゃあ、決まりですね。私が所持しているマンションに身を隠しましょう」

冬悟さんはにっこり微笑み、車のドアを閉めた。
いくつもマンションや家を持っているのだろうか。
冬悟さんの口ぶりだとその中のひとつみたいだけど。
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