私達は結婚したのでもう手遅れです!
なぜなら、まだこの女が俺達の罠にハマっていることに気づいなかったからだ。

「また遊びましょうね?可愛い嶋倉の坊ちゃん?」

その言葉に俺は振り返り笑う。

「お前が遊びだと割り切れるならな」

女の顔が歪んだ。
これが別れの言葉だと理解したようだ。

「矢郷組とつながっていたお前の店は潰させてもらった」

「なっ―――!」

「はい、プレゼントですよー」

竜江が笑いながら、血だらけの男を一人、部屋まで引きずって連れてくると部屋の中に放り込んだ。

「きゃあ!」

悲鳴をあげたが、誰も助けは来ない。
外にいる連中も始末したからだ。

「お前が矢郷に連絡をとらないように俺が時間稼ぎをさせてもらったぞ」

「私が矢郷組とつながっていることにきづいたの……!?」

「まあな。店の売り上げを矢郷に横流ししてただろ?」

「そ、それは……」

「俺が気づいていないとでも思ったか」

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