私達は結婚したのでもう手遅れです!
「冬悟さんが他の女といちゃいちゃして羽花さんが不安な気持ちになっていたのをフォローしてただけっすよ!」

「煽っていたの間違いだろうが」

竜江さんを助けてあげたいけど、確かに不安を煽っていただけだったので、うんうんとうなずいてしまった。

「お前には草むしり以上の罰がいるようだな」

竜江さんは私に助けるように目で合図を送ってきた。
それが余計に逆効果だったらしく、ぐぐっと冬悟さんの手に力がこもる。

「い、いてっ!マジで怒ってます!?冬悟さん!!頭が潰れる―!」

慌てる竜江さんの声にハッとした。
人としてこのまま、見捨てるわけにはいかない。
竜江さんの大ピンチ!
武士の母を実践しなくては!
えーと、確か……まず、後ろに下がります。

「羽花?どうして離れているんだ?」

「えっ!?いえ、気のせいです」

「なにか俺に後ろめたいことでもあるのか?」

「ちっ、違います」

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