私達は結婚したのでもう手遅れです!
「ぐっ!そ、それは……」

「そうですよ。竜江さんはむしろ帆希より年下みたいじゃないですか」

「は!?俺のどこが年下だ!お前にだけは言われたくねーよっ!」

「竜江」

冬悟さんに名前を呼ばれて竜江さんは我に返った。

「お前はいいから、さっさと車の用意をしろ。社に戻る」

「わかりました……。けど、俺のことを絶対にお義兄さんって呼ばせてみせるからな!」

竜江さんはそんなわけのわからない宣戦布告をすると、店から出ていった。

「なんだ、あいつ?」

「冬悟さんがお義兄さんって呼ばれていたのが羨ましかっただけじゃないですか」

もー、竜江さんって子どもなとこあるから。

「そうかもな」

帆希も首をかしげていた。

「すまなかったな。躾のなってないうちの犬が失礼をした」

「いえ。平気です」

「羽花。今日の仕事が終わったら、迎えに来る」

「はいっ!」

< 291 / 386 >

この作品をシェア

pagetop