私達は結婚したのでもう手遅れです!
でも、お祝いムードでわいわいしていた柳屋の親戚達のテンションは一気に地に落ちた。
水を打った静けさとはまさにあんなかんじなんだろうなって……
はぁっとため息をついた。
隠しきれないヤクザ感。
親戚の人達はもしかして、気づいちゃったんじゃないかな。
足を洗ったから、大丈夫なはずだけど、親戚達がどう出てくるか予想もつかない。

「だからさぁー!仙崎さんじゃなくて、俺がよかったと思うんだよね」

竜江さんは料亭に場所が移り、くだけた様子になるとお酒を手に近寄って来た。

「ぜってー柳屋の親戚の人達、仙崎さんにビビッてたよな?」

すでにほろ酔いらしく、いつもの軽さに増して、さらにふわふわと軽くなっていた。
それなのにまだ飲むのか、竜江さんはお酒を注ぎだしていた。

「仙崎さんだけが威圧感あるみたいな言い方はやめてください」

威圧感があるのは周りの人もですからね?
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