私達は結婚したのでもう手遅れです!
継母のことがあり、帆希に対して特に親戚達からの風当たりが強い。
だから、席も私達の近くにし、冬悟さんがかばうようにして、そばにいてくれた。
おかげで帆希も嫌な思いをせずにすんだ。
親戚たちが帆希に話そうとすると冬悟さんがうまく自分のほうへ話を向け、親戚達が嫌味を言う隙を与えなかった。

「竜江さんも冬悟さんを見習ったほうがいいですよ」

「なんで俺!?」

なぜか百花が力強くうなずいていた。

「羽花ちゃん、本当におめでとう」

衣兎(いと)おばさんが涙を拭きながら、お祝いしてくれた。
母親代わりに育ててくれた衣兎おばさん。
ずっと感動のあまり、涙をハンカチで拭いていた。

「帆希君も立派になって。引き出物とても素敵だったわ」

「ありがとうございます」

黒い重箱に詰められたのは帆希が作った美しい練りきり。
もう芸術品の域だった。
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