私達は結婚したのでもう手遅れです!
「そのつまらないプライドと一緒に死ぬか、プライドを捨てて生きるか、どちらにするか今すぐ選べ。医者まで連れていって欲しいなら、頭下げて俺に頼めよ」

見たところ、玄馬は手酷くやられ、自分では動けそうになかった。

「俺が助けてやる義理もない。このまま、放っておいてほしいというのなら放っておいてやる。道路に転がっていれば、親切な誰かが救急車でも呼んでくれるだろう」

「救急車!?」

「目立つだろうな。どうする?」

「……お願いします」

さっさと頼めよ。
めんどくさいやつだなと思いながら、ため息をついた。

「冬悟。ヤミ医者まで頼む」

「わかっている」

玄馬はプライドを捨てて、俺に頼んだのだのだから、そこはちゃんとしたところに連れて行ってやらないとな。

「仙崎、嶋倉が懇意にしている医者まで連れていくぞ」

「はい」

仙崎は軽々と玄馬の体を担ぐと車に乗せた。

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