私達は結婚したのでもう手遅れです!
でも、冬悟さんはそんな私を察して自然な流れでプレゼントをしてくれる。
それが冬悟さんのすごいところっていうか、私のことをわかっているっていうかっ―――(以下省略)

「羽花?」

「わっ!」

いつ会議から戻ってきたのか、冬悟さんが私の目の前にいた。

「ご、ごめんなさい。サボっていたわけじゃないんですけど、つい」

「いや、いい。その雑誌、最近よく見るんだが、人気なのか?」

ドキッとした。
さすが冬悟さん。
めざとい。
冬悟さんの背後にいた竜江さんが慌てて前に回り込んだ。

「暇潰しで買ってるだけっすよ。運転手をしていると冬悟さんを待ってる時間とかあるでしょ。そんな時にパラパラっと読んでるだけなんで深い意味は……」

「なんだ。買っているのは竜江なのか」

「ま、まあ」

竜江さんはこくこくとうなずいた。

「羽花は興味ないだろ?そんな雑誌」

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