私達は結婚したのでもう手遅れです!
「そんなことないです!けっこう参考になるんですよ」

「参考に?」

冬悟さんが怪訝そうな顔をした。
しまった……
うっかりと本心を口にしてしまった。
正直すぎましたね。

「え、えーと、例えばこの初夏のコーデページとか、料理とか、温泉とか」

「温泉に行きたかったのか。じゃあ、週末、温泉に行くか?」

「いえっ!そうじゃなくっ!」

「なんだ?温泉嫌いだったか?」

「嫌いではないです」

あまり温泉は行った事がないから、むしろ行きたい、
でも、ハネムーンも控えているのに温泉旅行なんて贅沢すぎる。
どんどん墓穴を掘っている気がする。
このままじゃ、私が投稿していたこともバレるのでは!?
いっそ、バレるのであれば―――

「この相談者のページが面白いんです」

隠すことができず、すっと冬悟さんの前に差し出した。
冬悟さんと一緒にこのページを楽しんだ方がいい。
私はそう判断した。

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