私達は結婚したのでもう手遅れです!
「リーチ?なんのリーチだ」

「夫が浮気をしているかどうかです」

冬悟さんが私の手から雑誌を奪い、竜江さんに叩きつけた。

「おい。竜江。今すぐその雑誌を焼却してこい」

「えっ!?でも、懸賞つきクロスパズルをまだやってないんですよ?」

「灰にしろ」

「りょ、了解」

冬悟さんの迫力に負け、竜江さんは雑誌を抱えて社長室から出ていった。
二人だけになると冬悟さんが凶悪な笑みを見せた。

「なぁ、羽花。俺が浮気するような男にみえるか?」

「い、いえ。まったくっ!」

リーチだったことも忘れ、首を横に振った。
どんっと机に押し倒された。

「どれくらい俺が羽花を好きかわかってないようだな」

「ま、ま、待ってくださいっ!ここは会社っ!会社です!」

「だから?」

冬悟さんがネクタイをはずした。
色気たっぷりだけど、今はその色気はまずいですっー!
ど、どうしたら!
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