私達は結婚したのでもう手遅れです!
「ムリムリ。一番、冬悟さんがヤクザっぽいのになくせるわけないだろ」

「なに言ってるんですか!冬悟さんはぜんぜんヤクザじゃないです!王子様みたいじゃないですかっ!」

「は?おい、頭大丈夫―――」

ゴンッと百花がお盆を竜江さんにぶつけた。

「い、いてっ!」

「はい、お客様ー。おかわりのお茶ですー」

「今、角だったぞ!?」

頭をさすりながら、竜江さんが抗議したけど百花は無視していた。
熱いほうじ茶を百花は竜江さんの前に置く。

「冬悟さんの努力する態度って素晴らしいと思うわよ。だれかさんと違って」

「竜江さんのことだよね?わかります」

「は、お前らなに手を結んでるんだよ。俺はなぁ、冬悟さんをリスペクトしてるんだからなっ!」

「それこそ無理よ」

「ごめんね。竜江さん。冬悟さんにはなれないと思う」

「待て待て。謝られるのが一番ムカつくからな?」

「事実でしょ」

< 338 / 386 >

この作品をシェア

pagetop