私達は結婚したのでもう手遅れです!
そして、楽しみすぎて昨日の夜はあまり眠れなかった。

「羽花。おやつを持ちすぎだ。置いていけよ」

「部屋で食べようと思ったんです」

「部屋菓子がついている。料理でお腹がいっぱいになって食べれないぞ」

「そうですか……そうですよね……」

これが温泉初心者の考えることですよ……
しゅんっとしていると仙崎さんがサッとおやつの袋を持ってくれた。

「車の中で食べる分にしましょうか」

「ああ。それもそうだな」

二人の全力フォローが申し訳なくかんじた。
旅行なれしていないのバレバレだよね。
昔から、お店があって私は修学旅行も行けなかった。
衣兎(いと)おばさんがお店を手伝ってくれると言ってくれたけど、継母が反対してそれを阻んだ。
もちろん、父は継母を無視して衣兎おばさんに頼んだ。
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