私達は結婚したのでもう手遅れです!
「めずらしいな。お前、女に断られることがあるんだな」

「これが、あるんですよねー。あー、俺って報われないのになんであんなに好きなんだろう」

「お前、けっこうマゾ気質だからな」

「マジですか!?」

「お前は殴られてもけっこう平気な顔をしているぞ」

う、嘘だろおおお!と、竜江さんが床にがっくりと膝をついていた。
そんなショックなの?
マゾ気質って?

「あの、冬悟さん。マゾ気質ってなんですか?」

「羽花は知らなくていい。要するに竜江は変態ってことだ」

「へ、変態なんですか?」

「ちがうっ!羽花さんに変なこと教えないでくださいよ。本気にするでしょ」

冬悟さんが言うと説得力がありすぎて困る。
竜江さんは否定したけど、竜江さん変態疑惑は完全にぬぐうことはできなかった。

「車にどうぞー」

不満そうな竜江さんと運転席に黙って座る仙崎さん。
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