私達は結婚したのでもう手遅れです!
「ほら、飲め」

「仙崎さんはザルですからね。同じペースで飲んだら、俺、死にますよ」

「健康には気を付けている。あいつを残して死ぬわけにはいかないからな」

「へぇー。そんないい人が仙崎さんにもいるんだな」

スマホを手に竜江は椅子に座りなおした。

「興味あるか」

「え?教えてくれるんっすか?」

隠しているわけではない。
俺はお前と違ってオープンにしたい。
むしろ、独占したい。
そう思っている。
スマホをスッと差し出して、待ち受け画面を見せようとした瞬間、竜江のスマホが鳴った。

「うわ!きたー。百花、何してたんだよー!」

嬉々として竜江は恋人に電話をかける。
向こうはメッセージなのに電話をかけるあたりが竜江(犬)だ。

「おい、竜江……」

「うんうん。今さぁ、温泉で!お土産なにがいい?次は絶対に一緒に行こうな?」

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