私達は結婚したのでもう手遅れです!
でもそれは親鳥が雛鳥にエサを運んでいるようで、一口食べて悲しい顔になった。
これが私の色気の限界ですが……
がっくりしながら、料理を食べ終えた。
しっかり全部食べて、さすがに私もお腹いっぱい。
冬悟さんはお酒も飲んでいたはずなのに少しも酔った様子がない。
顔色一つ変えずにいた。
私はちょっと飲んだだけで顔が赤くなるというのに……
だから、食前酒以外はウーロン茶だった。
今から何をしよう。
トランプ?ウノ?一応、いろいろ持ってきた。
せっかくの温泉。
眠くなってしまったら、もったいない!
夜はこれからですよ。
ちらっと冬悟さんを見る。
冬悟さんは窓を開けて、暗い外を眺めていた。
山からの涼しい風と川の音。
窓辺に座る冬悟さんは絵になる。
けれど、私が一番気になっていたのは―――

「あの、冬悟さんは他の女の人と温泉に来たことがあるんですか?」

「ない」

きっぱりと冬悟さんは答えた。
< 368 / 386 >

この作品をシェア

pagetop