私達は結婚したのでもう手遅れです!
それは私が今までずっと求めていたワード。
キラキラした目で冬悟さんを見た。

「そうですね!やっぱり温泉はいいですね!」

「どうした?急に……」

「だ、だって。温泉の女将さんも嶋倉関係の店の人もみんなセクシーじゃないですか?私って、子供っぽいっていうか……む、胸も小さいですし……冬悟さんが満足できてるかどうか……」

もごもごと口ごもると冬悟さんがまたキスをする。

「羽花はじゅうぶん俺を誘っている。それに一緒に温泉に入るんだろう?」

「そ、そうですけど。大人っぽく誘えていたかどうかっ!恥ずかしいです」

「俺は嬉しかった」

蠱惑的に微笑んだ冬悟さん。
それだけで、もう敗北感です。
もしかすると最大のライバルは冬悟さんかもしれない。
誰も勝てないセクシーさ。
乱れた浴衣にほんのり漂うアルコールの香り。
最強です……冬悟さん……

「ありがとうございます」

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