私達は結婚したのでもう手遅れです!
「そんなことないです!」

私と冬悟さんがイチャイチャしていると、竜江さんがご当地キャラのボールペンやお菓子を買っていた。
冷たいという彼女へのお土産だろうか。
竜江さんの彼女って大人な女性のイメージだったけど、違うのかな。

「実用的なものなら断れないだろうしな……」

ぶつぶつと竜江さんがボールペンを真剣に眺めていた。
あの目は本気だ。
今まででふざけた人だと思っていたけど、彼女へのお土産選びは真剣なんですね。

「どんな女の人なのかな」

「なんだ。竜江の女が気になるのか?」

「はい。冬悟さんは知ってますか?」

「いや、知らないな。あいつは女をすぐに変えるからな。本気なら俺に紹介するだろ」

「本気なら……本気じゃないのに女の人と付き合うのはよくありません!」

「俺は羽花だけだぞ」

「えっ!?あ、ありがとうございます」

お礼を言ったけど、私が言ったのは竜江さんだ。
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