私達は結婚したのでもう手遅れです!
そこはすべて服やバッグなどの小物が揃えられた部屋だった。
鏡付きの扉がついた白のクローゼットがずらりと並び、開けると服や着物が入っている。
着替える時に座るためなのか、白のソファーが置かれ、頭上にはクリスタルシャンデリアがキラキラと輝いている。
それをひっくり返りそうになるくらいのげぞって見上げた。
すごく綺麗なシャンデリア。
羽根もようが彫られた白のパーティションもオシャレだった。
きっとお姫様のクローゼットって、こんな風なんだろうなとぼんやり思い首が痛くなったところでハッと我に返った。

「あのっ、これはいったい!?」

「クローゼットです。右側のクローゼットはすべて羽花(うか)さんの物ですからご自由に使ってください」

これがクローゼット?
私が知っているクローゼットとは違う。
洋服のタグをみると私ですらわかる有名ブランド。
そっとタグを隠した。
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