私達は結婚したのでもう手遅れです!
第7話 手の中【冬悟】
本当の自分の姿か―――
「毎日、冬悟さんが好きな子を遠くから見てるなんて知ったら、女達が泣きますよ」
出勤前の時間、毎朝、店の前を掃除する彼女、柳屋羽花の様子を見てから出社する。
これはもうずっと続けている癖のようなものだ。
元気にしてるかどうかの確認のようなもので、ストーカーではないと思うが―――
「完全、ストーカーですよ」
運転席に座った部下の竜江が俺の考えを読んだように言った。
そのとなりには俺の世話係だった仙崎が余計なことを一切、言わずに座っている。
それが一番賢くて正しい。
「誰がストーカーだ」
後部座席からバックミラー越しに竜江を睨み付けた。
「い、いやぁ、冗談っす!」
「そうか。俺は忠犬に手を噛まれるのもじゃれられるのも嫌いだ」
「すみません!覚えておきます!」
その台詞は何度目だ?
「毎日、冬悟さんが好きな子を遠くから見てるなんて知ったら、女達が泣きますよ」
出勤前の時間、毎朝、店の前を掃除する彼女、柳屋羽花の様子を見てから出社する。
これはもうずっと続けている癖のようなものだ。
元気にしてるかどうかの確認のようなもので、ストーカーではないと思うが―――
「完全、ストーカーですよ」
運転席に座った部下の竜江が俺の考えを読んだように言った。
そのとなりには俺の世話係だった仙崎が余計なことを一切、言わずに座っている。
それが一番賢くて正しい。
「誰がストーカーだ」
後部座席からバックミラー越しに竜江を睨み付けた。
「い、いやぁ、冗談っす!」
「そうか。俺は忠犬に手を噛まれるのもじゃれられるのも嫌いだ」
「すみません!覚えておきます!」
その台詞は何度目だ?