私達は結婚したのでもう手遅れです!
その名刺には嶋倉建設社長という肩書きがある。
俺は堂々と羽花に好きだと言っても許される立場だ。
店先の掃除が終わった羽花が『柳屋』の緑色ののれんをかけた。
竹林が多いこの町と同化してしまうような若竹色の緑。
それが風でふわりと揺れて、彼女はにこりと微笑んだ。
きっと暖かな風に春がきたことを思っているのだろう。
羽花はそんな純粋な心の持ち主で、感じたままのことを顔にだしてしまう素直なところがある。
昔から変わらず、可愛らしい。
「開店したようだな。菓子を買ってくる。お前らは車で待ってろ」
「俺はよもぎ饅頭がいいです!」
「自分は豆大福をお願いします」
こいつら、俺をパシリに使う気か?
そう思ったが、まあいい、
俺は機嫌がいい。
そして今の俺は嶋倉建設の社長だ。
「おとなしく待ってろよ」
二匹の狂犬にそう言った。
こいつらを飼うのも楽じゃない。
俺は堂々と羽花に好きだと言っても許される立場だ。
店先の掃除が終わった羽花が『柳屋』の緑色ののれんをかけた。
竹林が多いこの町と同化してしまうような若竹色の緑。
それが風でふわりと揺れて、彼女はにこりと微笑んだ。
きっと暖かな風に春がきたことを思っているのだろう。
羽花はそんな純粋な心の持ち主で、感じたままのことを顔にだしてしまう素直なところがある。
昔から変わらず、可愛らしい。
「開店したようだな。菓子を買ってくる。お前らは車で待ってろ」
「俺はよもぎ饅頭がいいです!」
「自分は豆大福をお願いします」
こいつら、俺をパシリに使う気か?
そう思ったが、まあいい、
俺は機嫌がいい。
そして今の俺は嶋倉建設の社長だ。
「おとなしく待ってろよ」
二匹の狂犬にそう言った。
こいつらを飼うのも楽じゃない。