私達は結婚したのでもう手遅れです!
バシャバシャとお湯を飛ばして、ひとしきり暴れたところで疲れて、おとなしくお湯にちゃぽんとつかった。
待って、私。
ちょっと落ち着こう。
そう、私は冬悟さんにふさわしい大人の女性として私は生まれ変わるっ!
虫から蝶へと!
脳内でちょうちょの歌を歌いながら、髪を乾かし、パジャマを着る。
全部、サイズはぴったり。
そこまではのんきな私。
『そっかぁ、そんなこともあるよね』って思っていた。
でもそのパジャマはヒラヒラしたレースがたくさんついた
そ、それだけじゃなくてっ!

「あ、あのぅっ……」

すすっと寝室のドアをほんの少しだけ開けた。
ドアの隙間から見えたのお風呂上がりの冬悟さん。
う、うっわー!色っぽい!
私の百倍は色気があるってばー!
前髪をおろし、真剣な顔をして冬悟さんはベッドの上で立て膝を付き、難しそうな本を読む姿はもう神々しいレベル。
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