私達は結婚したのでもう手遅れです!
「幼馴染って言っても差し支えないくらいの付き合いじゃないですかねぇ。お互いの立場を理解しやすい者同士だから、気が合わなかったとしても拒めないのかもしれないですね」
お互いを理解する―――私と冬悟さんはどうだろう。
そもそも私は冬悟さんがどんな人なのかわからない。
この嶋倉建設の社長で『柳屋』の常連さんということくらいしか知らない。
急に冬悟さんが遠くに感じた。
ペタン……と静かにラベルを貼って黙って仕事を続けた。
なんだか無性に『柳屋』に帰りたくなってしまった。
あの静かな竹林の小径がある寺町へ戻りたい。
あんこを炊く匂いと白い湯気。
綺麗に並んだ季節のお菓子。
冬悟さんのことは嫌いじゃないけど、帰りたいな―――
そう思ったのはここでは私が完全にアウェーだと理解したから。
きっと何も知らないのは私だけ。
どうして私はここにいるんだろう。
お互いを理解する―――私と冬悟さんはどうだろう。
そもそも私は冬悟さんがどんな人なのかわからない。
この嶋倉建設の社長で『柳屋』の常連さんということくらいしか知らない。
急に冬悟さんが遠くに感じた。
ペタン……と静かにラベルを貼って黙って仕事を続けた。
なんだか無性に『柳屋』に帰りたくなってしまった。
あの静かな竹林の小径がある寺町へ戻りたい。
あんこを炊く匂いと白い湯気。
綺麗に並んだ季節のお菓子。
冬悟さんのことは嫌いじゃないけど、帰りたいな―――
そう思ったのはここでは私が完全にアウェーだと理解したから。
きっと何も知らないのは私だけ。
どうして私はここにいるんだろう。