私達は結婚したのでもう手遅れです!
「そ、それは」
「俺にメリットはあるか?」
ありません―――と言いかけて口をつぐんだ。
あまりに自分が情けなさ過ぎて言えなかった。
目の前にいるのは嶋倉建設社長で胸が大きい(こだわる)婚約者がいて、高級マンションで暮らすなに不自由ない男。
それに比べ、私は三千万円の借金を抱え、ヤクザの男につきまとわれている上に幼児体型で貧乳の女。
圧倒的な差がそこにはあった。
「で、でも、これって詐欺ですよね?」
「なぜ?誓約書を包み隠さず、提示していたはずだ。読んでいたくせに言いがかりか?」
冬悟さんを信用していたから、しっかり読んでなかった。
それに婚姻届をだしてくるなんて誰も思わない。
「その着物を脱げ。気分が悪い」
「は?」
「着物。着替えてこい。『柳屋』には帰さない。お前は俺のものだ」
神様、仏様―――確かに私は冬悟さんと距離が近くなりたいと思っていました。
「俺にメリットはあるか?」
ありません―――と言いかけて口をつぐんだ。
あまりに自分が情けなさ過ぎて言えなかった。
目の前にいるのは嶋倉建設社長で胸が大きい(こだわる)婚約者がいて、高級マンションで暮らすなに不自由ない男。
それに比べ、私は三千万円の借金を抱え、ヤクザの男につきまとわれている上に幼児体型で貧乳の女。
圧倒的な差がそこにはあった。
「で、でも、これって詐欺ですよね?」
「なぜ?誓約書を包み隠さず、提示していたはずだ。読んでいたくせに言いがかりか?」
冬悟さんを信用していたから、しっかり読んでなかった。
それに婚姻届をだしてくるなんて誰も思わない。
「その着物を脱げ。気分が悪い」
「は?」
「着物。着替えてこい。『柳屋』には帰さない。お前は俺のものだ」
神様、仏様―――確かに私は冬悟さんと距離が近くなりたいと思っていました。