私達は結婚したのでもう手遅れです!
本当のあなたをしりたいなんて乙女なことももちろん考えてました。
でも、あまりにもあの王子様みたいな顔と違いすぎて言葉もなかった。

「従わないなら脱がす」

「それだけはやめてくださいっ!」

あの紳士な冬悟さんはどこへ行っちゃったのっ!?

「どんな俺でも好きだって言わなかったか?」

「いいましたけど」

ふっと冬悟さんは冷たい目で私を見て声音を変えた。

「こちらのほうが好みだというなら、演じてあげてもいいですよ?羽花さん?」

全然違う。
でも、どれも冬悟さんってことは―――私はピンときた!

「わかりました!」

「わかったってなにが?」

「もしかして冬悟さんって二重人格者なんですか?」

「誰が二重人格者だ」

あ、あれー!?
違うの?
ちょこんとソファーの上に正座した。
説明を待ちましょう。
そう思っていた。
けど、冬悟さんから言われた言葉は説明じゃなくて―――

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