嘘の花言葉
――――――――
――――――
――……
「れんれん起きて~」
「ん……あと五分だけ寝かせて……」
「宮野かれん起きろ! 古文の授業終わったぞっ!」
大きな声に驚き目を開けると、そこは見慣れた教室。
前の席に、友達の麻由美が座っている。いつもと変わらない休み時間の風景。
「あれ、寝ちゃってたっ」
なんだ、あれは夢かぁ。大あくびをしながら伸びをする。
ふと視線を落とすと、机の上にはよだれでできた水溜まりが。
「ぎゃー!」
「うわ汚っ! ったく、れんれんは女子力がないんだから。こんなんじゃいつまで経っても恋人できないぞ」
机をごしごしとハンカチで拭く私に、麻由美は上から目線で言ってくる。
「うるさいなー。別に恋人募集してないしー」
嘘です。彼氏がいる麻由美が心底羨ましいです……。
不意にバイブ音が鳴り、麻由美は制服のポケットからスマホを取り出した。画面を見てにやついている。
「れんれんごめん、あたし今日は先帰るね」
放課後デートのお誘いの連絡だったのだろう。
「りょーかい。今日はどこ行くの?」
「カ・ラ・オ・ケ~」
おうおう、自慢してくれちゃって。
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「れんれん起きて~」
「ん……あと五分だけ寝かせて……」
「宮野かれん起きろ! 古文の授業終わったぞっ!」
大きな声に驚き目を開けると、そこは見慣れた教室。
前の席に、友達の麻由美が座っている。いつもと変わらない休み時間の風景。
「あれ、寝ちゃってたっ」
なんだ、あれは夢かぁ。大あくびをしながら伸びをする。
ふと視線を落とすと、机の上にはよだれでできた水溜まりが。
「ぎゃー!」
「うわ汚っ! ったく、れんれんは女子力がないんだから。こんなんじゃいつまで経っても恋人できないぞ」
机をごしごしとハンカチで拭く私に、麻由美は上から目線で言ってくる。
「うるさいなー。別に恋人募集してないしー」
嘘です。彼氏がいる麻由美が心底羨ましいです……。
不意にバイブ音が鳴り、麻由美は制服のポケットからスマホを取り出した。画面を見てにやついている。
「れんれんごめん、あたし今日は先帰るね」
放課後デートのお誘いの連絡だったのだろう。
「りょーかい。今日はどこ行くの?」
「カ・ラ・オ・ケ~」
おうおう、自慢してくれちゃって。