闇夜ヨルの恐怖記録 5
「野うさぎか、それなら大きな被害はなさそう」


飯田さんはホッと安堵のため息を吐き出して言った。


うさぎが犯人だとすればイノシシや他の動物のように人間に危害を加えてくる心配はほとんどないということだ。


「でも、花壇がまた荒らされると困るんじゃない?」


ジュンイチが気を利かして言う。


「うん……。でもそれはもうしょうがないよ。動物よけのネットを張ったりとかすればいいと思う」


その言葉に3人は顔を見合わせた。


確かにネットなどを張ることで他の動物被害からも花壇を守ることができる。


だけど、それじゃ解決というわけにはいかない。


犯人であるうさぎだって、まだこの付近にいるのかもしれないし。


「ちょっと待ってて、図書館で調べ物をしてくるから」


ジュンイチは女子生徒2人へ向けてそう声をかけ、3人で大急ぎで図書室へ向かったのだった。
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