闇夜ヨルの恐怖記録 5
「でもさ、いつでも手に入らないって書かれていると、ちょと飲むの躊躇するよな」


蓋を開けかけていたテツヤも手を止めてしまう。


「本当だよな。売りたいならこんなこと書かない方がいいのに」


カツユキは不思議そうに首を傾げている。


と、その時だった。


いつものなれた道の途中、クリーム色のアパートが見えた。


それは10年ほど前から建っているアパートだけれど、1階の玄関先で女性が右往左往しているのだ。


「あれって、あの部屋の人だよな?」


白いワンピースを来たその女性はこの付近で何度も見かけたことがある。


通りすがりに挨拶をして、テツヤは顔を覚えていたのだ。


「なんか顔色悪くないか?」


女性が青ざめていることに気がついたのはジュンイチだった。


「本当だ」


「探偵団のお出ましじゃないか!?」


カツユキが元気よく言うので、3人は目を見交わせた。


学校外での活動第一回目ということだ。


互いに頷きあい、足早に女性に近づいていく。


「あの、こんにちは」


最初に声をかけたのは挨拶をしたことがあるテツヤだ。
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