闇夜ヨルの恐怖記録 5
そうなると、女性はまた怯えて暮らさないといけなくなるんだ。


そんなの事件を解決したことにはならない。


女性の恐怖を完全に拭い去るためには犯人を捕まえないといけないんだ。


そう考えたテツヤはすぐにドリンクを一口飲んだ。


味は一般的なスポーツドリンクと変わらない。


しかし、一口飲んだ先からドアの向こうにいる人物への恐怖心が消えていくのを感じた。


冷や汗は止まり、握りしめていたカツユキの手を振り払う。


「テツヤ?」


カツユキが不安そうな顔でテツヤを見つめる。


「大丈夫、行ける」


「は? なに言ってんだよ。部屋に突入する気か!?」


ジュンイチが慌てて引き止めようとするがテツヤは言うことを聞かなかった。


「ドリンクを飲んでみたらわかるよ。それと、部屋の鍵をかして下さい」


女性はバッグの中からおずおずと鍵を取り出し、テツヤに手渡した。


テツヤは2人がドリンクと一口ずつ飲むのを待ってから、ドアに近づいた。


「開けるぞ」


そう言うテツヤの後で2人にも不思議な現象が起こっていた。
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