闇夜ヨルの恐怖記録 5
☆☆☆

それからの3人はてんやわんやだった。


なにせ侵入者を確保したのだ。


警察を呼んで何度も事情を説明して、それから親にも説明をして。


気がつけば時刻は夜6時半を過ぎていた。


「3人共本当にありがとう。あなたたちとても勇気があるのね」


親たちにお願いして女性をアパートまで送り届けた3人は、夜の道でハイタッチを交わした。


「やったな! こんなに大きな事件を解決したら、もう立派な探偵だろ」


カツユキが興奮気味に言う。


その頬は赤く紅潮していた。


「あぁ。きっと明日のニュースとか新聞にも乗るだろうな」


ジュンイチが答える。


実際に警察署を出るときにはすでに地元の新聞社の人たちが集まってきていた。


中学生が女性を助けた事件は、あっという間に広まっていたのだ。


「ここからが本領発揮だ。明日からも頑張ろうぜ!」


テツヤはそう言い、3人で円陣を組んで「おー!」と、声を上げたのだった。
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