闇夜ヨルの恐怖記録 5
「また新聞とか、ニュースになったりするのかな?」


今度はカツユキがつぶやく。


それにはテツヤが頷いた。


「そりゃなるだろ。今日だってこれだけ騒がれてるんだからさ」


昨日は地元の新聞の片隅に載っただけだった。


でも今回の表彰ではテレビ局まで取材に来ると聞いている。


それだけで緊張していた。


「緊張をほぐすために、あのドリンクを飲んでおくか」


軽い気持ちで言ったのはカツユキだった。


「それはダメだろ。絶対に」


すぐにテツヤが反論する。


自分たちがあんな行動に出ることができたのは、まちがいなく『能力ドリンク』のおかげだった。


表彰の緊張だって簡単にほぐすことができるだろう。


だけどあのドリンクはいつでも手に入るものじゃない。


大切に使わないといけないものだった。
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