闇夜ヨルの恐怖記録 5
「そんなこと言っても仕方ないだろ。ないものはないんだから」
ジュンイチはすでに割り切っているようだ。
そもそもが不思議なドリンクなので少し警戒していた様子でもある。
「50円でやすかったのになぁ」
テツヤが両手を頭の後で組んでそうつぶやいたとき、右手の路地から1人の男が飛び出してきた。
慌てて足を止める3人に謝ることもなく走り去っていく。
男性は黒い上下の服を着ていたが、それには不似合いな花柄のバッグを持っていた。
「なんだよあれ」
カツユキが仏頂面をしたとき、男が出てきたのと同じ路地から手押し車を押した1人の女性が出てきた。
女性の年齢は80歳くらいで、シワシワの手で手押し車のハンドルを押している。
足が悪いようで時々引きずるようにしながらも、必死に男を追いかけているように見えた。
3人は同時に顔を見合わせて、その女性に近づいた。
「あの、なにかお困りですか?」
優しい声で言ったのはジュンイチだった。
笑顔を浮かべて女性から警戒心を取り除こうとしている。
「あぁ、あの人が私のバッグを……」
すがるような視線をジュンイチへ向ける。
その時あの男が持っていた花柄のバッグを思い出した。
ジュンイチはすでに割り切っているようだ。
そもそもが不思議なドリンクなので少し警戒していた様子でもある。
「50円でやすかったのになぁ」
テツヤが両手を頭の後で組んでそうつぶやいたとき、右手の路地から1人の男が飛び出してきた。
慌てて足を止める3人に謝ることもなく走り去っていく。
男性は黒い上下の服を着ていたが、それには不似合いな花柄のバッグを持っていた。
「なんだよあれ」
カツユキが仏頂面をしたとき、男が出てきたのと同じ路地から手押し車を押した1人の女性が出てきた。
女性の年齢は80歳くらいで、シワシワの手で手押し車のハンドルを押している。
足が悪いようで時々引きずるようにしながらも、必死に男を追いかけているように見えた。
3人は同時に顔を見合わせて、その女性に近づいた。
「あの、なにかお困りですか?」
優しい声で言ったのはジュンイチだった。
笑顔を浮かべて女性から警戒心を取り除こうとしている。
「あぁ、あの人が私のバッグを……」
すがるような視線をジュンイチへ向ける。
その時あの男が持っていた花柄のバッグを思い出した。