闇夜ヨルの恐怖記録 5
「まさか、こんなところでドリンクを使うつもりか?」


ハッとしたようにジュンイチが2人を見る。


テツヤとカツユキは目を見かわせて同時に頷き、持ってきていたドリンクに口を付けた。


「おいっ!」


ジュンイチは止める暇もなかった。


2人はグビグビとドリンクを飲んであっという間に残り一口になってしまう。


「なにしてんだよお前ら。これは探偵団のために取っておくんだろう!?」


「ジュンイチも飲めよ。これだけ女子生徒が見てるのに、俺達より遥かに遅くていいのか?」


テツヤはニヤリとした笑みを浮かべて言い、ジュンイチは言葉を失ってしまった。


2人はすでにドリンクを飲んでしまっている。


だから自分だけがとてつもなく足が遅いように見えてしまうのだ。


その様子を想像してジュンイチは奥歯を噛み締めた。


校舎の中からは相変わらず女子生徒たちの声が聞こえてきている。


「……くそっ」


散々悩んだ挙げ句、ジュンイチも同じように能力ドリンクを飲んだのだった。
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