闇夜ヨルの恐怖記録 5
犯人を捕まえることができなければ、被害者はまた同じような恐怖を味わうことになる可能性だってある。


かと言って中学生が1人で追いかけてどうにかなるとも思えない。


どうするのがいいだろう。


考えている間にも女性と男はどんどん先へ進んでいってしまい、角を曲がればその姿は見えなくなってしまう。


「ドリンクを使おう」


言ったのはテツヤだった。


「でもあと少しでなくなるぞ」


カツユキがペットボトルを振って見せた。


それぞれ一口分くらいしか残っていない。


だけど、今使わないでいつ使うんだ?


テツヤはそう思ったのだ。


「俺は飲む。お前らはここにいればいい」


テツヤはそう言うと、ドリンクを飲み干してしまった。


空のペットボトルをゴミ箱へ投げ込んで、男女の後を追いかけていく。
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