闇夜ヨルの恐怖記録 5
幼い頃から音楽が好きで、両親の影響で子供用の楽器にも触れてきた。
それが功を奏してこの恐怖中学校の中ではなかなかの腕前になっているけれど、上には上がいることくらい、アサミはすでに知っていた。
毎年参加してきたコンクールでは、どうしても恐怖中学校吹奏楽部が超えられない壁もある。
だから、今年こそはその中学校に勝って、最優秀賞を取りたいと願っているのだ。
これはアサミひとりの願いじゃない。
きっと、吹奏楽部全員の願いだ。
「ニナ、調子はどう?」
少し離れた場所でフルートの練習をしていたニナに声をかけた。
ニナは3年生にしてはまだ体が小さくて、肺活量も弱い。
同じフルートパートの中では一番心配の多い生徒だった。
「うん。なんとかやってる」
ニナはフルートから口を離して大きく息を吐き出した。
3年生に上がってから本格的に筋肉トレーニングを始めたようで、ニナが出す音は明らかに変化してきていた。
いままで音程が危うかったり、行きが続かずに消えたりしていたけれど、それが全くと言っていいほどなくなったのだ。
「すごいじゃんニナ。その調子で頑張ればすぐにアサミだって追い越すよ」
隣からサトコにそう言われてアサミは一瞬ドキッとする。
それが功を奏してこの恐怖中学校の中ではなかなかの腕前になっているけれど、上には上がいることくらい、アサミはすでに知っていた。
毎年参加してきたコンクールでは、どうしても恐怖中学校吹奏楽部が超えられない壁もある。
だから、今年こそはその中学校に勝って、最優秀賞を取りたいと願っているのだ。
これはアサミひとりの願いじゃない。
きっと、吹奏楽部全員の願いだ。
「ニナ、調子はどう?」
少し離れた場所でフルートの練習をしていたニナに声をかけた。
ニナは3年生にしてはまだ体が小さくて、肺活量も弱い。
同じフルートパートの中では一番心配の多い生徒だった。
「うん。なんとかやってる」
ニナはフルートから口を離して大きく息を吐き出した。
3年生に上がってから本格的に筋肉トレーニングを始めたようで、ニナが出す音は明らかに変化してきていた。
いままで音程が危うかったり、行きが続かずに消えたりしていたけれど、それが全くと言っていいほどなくなったのだ。
「すごいじゃんニナ。その調子で頑張ればすぐにアサミだって追い越すよ」
隣からサトコにそう言われてアサミは一瞬ドキッとする。