闇夜ヨルの恐怖記録 5
☆☆☆
アサミが音を奏でれば植物はそれに反応してぐんぐん成長した。
そしてその翌日部活で練習をすると、アサミの演奏は前日よりも更にいいものになっているのだ。
「ニナさんも頑張ってるけど、ねぇ……」
先生が1人で練習しているニナにそう声をかけているのが聞こえてくる。
先生がいわんとしていることはわかっているはずだけれど、ニナは練習をやめずに続けている。
真剣に練習するニナを尻目に、アサミはいつもより30分早く練習を終えることにした。
ここで練習していてもどうせ上達しないことはわかっている。
家に帰って、あの植物の前で練習をするのだ。
それだけで上達していく。
「先生、今日は少し用事があるので、帰らせてもらっていいですか?」
「あらそうなの? アサミさんなら少し練習しなくても大丈夫でしょう、いいですよ」
にこやかに見送ってくれる先生に御礼を言って1人で部室を後にした。
もちろん手にはフルートのケースを持って。
「あれ、アサミもう帰るの?」
ニナの横を通り過ぎようとしたとき、後からサトコに声をかけられて立ち止まった。
「うん。今日は家の用事があるの」
「そっか。アサミの演奏もっと聞いていたかってけど、仕方ないね。またあしたね」
「うん。またね」
そうして、練習を続けているニナを横切って校舎を出たのだった。
アサミが音を奏でれば植物はそれに反応してぐんぐん成長した。
そしてその翌日部活で練習をすると、アサミの演奏は前日よりも更にいいものになっているのだ。
「ニナさんも頑張ってるけど、ねぇ……」
先生が1人で練習しているニナにそう声をかけているのが聞こえてくる。
先生がいわんとしていることはわかっているはずだけれど、ニナは練習をやめずに続けている。
真剣に練習するニナを尻目に、アサミはいつもより30分早く練習を終えることにした。
ここで練習していてもどうせ上達しないことはわかっている。
家に帰って、あの植物の前で練習をするのだ。
それだけで上達していく。
「先生、今日は少し用事があるので、帰らせてもらっていいですか?」
「あらそうなの? アサミさんなら少し練習しなくても大丈夫でしょう、いいですよ」
にこやかに見送ってくれる先生に御礼を言って1人で部室を後にした。
もちろん手にはフルートのケースを持って。
「あれ、アサミもう帰るの?」
ニナの横を通り過ぎようとしたとき、後からサトコに声をかけられて立ち止まった。
「うん。今日は家の用事があるの」
「そっか。アサミの演奏もっと聞いていたかってけど、仕方ないね。またあしたね」
「うん。またね」
そうして、練習を続けているニナを横切って校舎を出たのだった。