闇夜ヨルの恐怖記録 5
☆☆☆

もしかしたら私はスランプなのかもしれない。


そんなときは無理に練習を続けるよりも思い切ってフルートから離れてみることもありなのだ。


今までも何度もそういうことはあった。


気分が乗らなかったり、どれだけ練習してもうまくできなかったり。


ずっと練習を続けているよりも休憩したほうが上手く進んでいくときはある。


「ごめん、待った?」


集合う場所のコンビニにはもう2人の友人が到着していた。


「大丈夫だよ。今日どこ行こっか?」


「私買い物しに行きたい」


アサミは右手を高く上げてそう言った。


「いいね。じゃあ駅前行こうか」


「行こう行こう!」


3人で肩を並べてはしゃぎながら歩く。


その瞬間アサミは本当に吹奏楽のことが頭から消え去っていたのだった。
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