闇夜ヨルの恐怖記録 5
サトコのことはなんでも知っているつもりだった。


でも、高校生の知り合いなんてアサミは聞いていなかった。


「いいじゃんそんなこと。今日も遊びに行くから部活には出ないよ」


「でも、ソロが決まるのは明日なんだよ?」


ついきつい口調になった。


サトコはいつもでアサミを応援してくれていたから、前日の今日だってきっと一緒にいてくれると思っていた。


「そんなの、私のことじゃないし」


サトコの冷たい一言が突き刺さる。


アサミは目を見開いて呆然と立ち尽くしてしまった。


「アサミのことは応援してるけど、もう私の応援なんていらないでしょう?」


サトコはそう言って背を向ける。


アサミは慌てて引き止めるが、それは無視されてしまったのだった。
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