闇夜ヨルの恐怖記録 5
自分の席へ戻る間にも拍手は続いていた。
「サトコ、私の演奏どうだった?」
先生が合否を決めている間、アサミはこっそりサトコにそう質問をした。
「すごく良かったよ! 私感動しちゃったもん」
サトコは興奮気味に言う。
その言葉に嘘はなさそうだけれど……。
「でも、下手くそだったよね?」
「う~ん、技術は落ちたのかなって思った。でもね、感情がすごく伝わってくる演奏だったよ。あぁ、アサミは音楽が好きなんだなってわかったもん」
「本当に?」
「嘘なんてつかないよ」
サトコは笑って答えた。
アサミはひとりでいるニナへ視線を向けた。
ニナは落ち着かない様子で周囲を見回し、何度も居住まいを正している。
その様子を見ていると、途端にアサミも落ち着かない気分になってきてしまった。
アサミか、ニナか、もうすぐ決まるんだ。
そう考えると心臓がドキドキとはね始めて、制服の上から胸に手を当てた。
大丈夫。
今の自分にできるだけのことはやったんだから。
あとは信じて待つことしかできないんだ。
「サトコ、私の演奏どうだった?」
先生が合否を決めている間、アサミはこっそりサトコにそう質問をした。
「すごく良かったよ! 私感動しちゃったもん」
サトコは興奮気味に言う。
その言葉に嘘はなさそうだけれど……。
「でも、下手くそだったよね?」
「う~ん、技術は落ちたのかなって思った。でもね、感情がすごく伝わってくる演奏だったよ。あぁ、アサミは音楽が好きなんだなってわかったもん」
「本当に?」
「嘘なんてつかないよ」
サトコは笑って答えた。
アサミはひとりでいるニナへ視線を向けた。
ニナは落ち着かない様子で周囲を見回し、何度も居住まいを正している。
その様子を見ていると、途端にアサミも落ち着かない気分になってきてしまった。
アサミか、ニナか、もうすぐ決まるんだ。
そう考えると心臓がドキドキとはね始めて、制服の上から胸に手を当てた。
大丈夫。
今の自分にできるだけのことはやったんだから。
あとは信じて待つことしかできないんだ。